ホワイト・ピーポー。

アーサー・マッケン「白魔」を読んだ。

白魔 (光文社古典新訳文庫)

白魔 (光文社古典新訳文庫)

背中を押されたような、嬉しさのある読後感でした。

あとがきにもありましたが、マッケンがこんなにも女性的な視点を持っていたとは知らなかった。
と同時に、心強さも感じました。

「リトル・リトル・クトゥルー」に収録していただいた拙作「テレストリアル・ゲート」は、一読された方にはわかるように他の作品とは少し趣きの異なる話になっています。
実は「〜ゲート」は、ラヴクラフトの一連の幻夢郷ものとダンセイニのペガーナ神話を下地に、少女視点でのクトゥルー神話を書いてみようと思いつき書いた原稿用紙200枚分の中長編「テレストリアル・カレイドスコープ」を史上最少のクトゥルー神話賞のために大幅に省略したものなのです。
いわゆるクトゥルーっぽさに欠けるかなあ、と自信を失いかけていたのですが、この「白魔」の収録作を読んで立ち直りました(笑)。