池谷さん。

池谷裕二さんの「単純な脳、複雑な『私』」を読む。

単純な脳、複雑な「私」

単純な脳、複雑な「私」

池谷さんは、ほぼ日。関係で糸井重里さんに見出だされた気鋭の薬学者(脳科学者)。
糸井さんとの対談本「海馬」、アメリカ留学中に現地の日本人高校生に脳の可塑性などについて講義した「進化しすぎた脳」、そして「単純な脳〜」は池谷さんの母校・藤枝東高校で脳研究の最前線(07年時点)を講義したもの。

高校生たちがムツカシめの講義についていっているのは、やはり進学校だからかな。

新しいキーワードとしては、
○前適応−人間の遺伝子はたかだか2万2千個程度しかなく、それを使い回して進化してきた。
○ノイズ−ノイズは微弱な信号を強めるエネルギー源。フィードバック回路において創発の材料。
○リカージョン−入れ子構造。脳波形を眺めるとアルファ波をコントロールできる(!?)。

しばらくしたら付箋読みをしたい。

公式HPに動画があります。
http://www.asahipress.com/brain/

本読んでない人にはなんのこっちゃでしょうが、けっこうすごいです。
例えば、「15ドットの人間」はこれだけで脳は人間だと判断してしまうということ、「色の先読み」は、右の丸が赤に近付く中で、黄色になるときに左に「同じ黄色の丸」が「同時」に出ると右の丸がどう見えるか、つまり脳が無意識に未来を予測していることを明らかにしているそうです。

力が入っている内容なので、今から読む場合は「海馬」→「進化しすぎた脳」→「単純な脳〜」の順がいいかと。


海馬 脳は疲れない (新潮文庫)

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脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?